2010年5月30日

4ヶ月検診

先週、さやかを4ヶ月検診につれていった。

体重身長は標準的で、お肌もきれいで
とくに筋肉はちゃんとしていて問題ありませんが
まだ予防接種を何もしていないのですね。
ポリオは先月で終わってしまいましたよ。
宗教上の理由ですか?

とのこと。

家族でいろいろ勉強し、相談して、
ポリオの予防接種は受けない方向で
考えているんです。

以下は、その時の会話。
医師 今は義務ではありませんから、親御さんの責任で決めていただいていいんですが、予防接種を受けないと病原体の媒介者になる可能性があります。
詩子 でもポリオの菌は国内に存在しないんですよね? 
医師 はい、国内にはありません。しかし、定期接種になっている予防接種は、接種したほうが、経済効果があるからこそ定期接種になっているのです。
詩子 経済効果というと・・・?
医師 国民の中に感染者がでた場合にかかる医療費と、接種にかかる医療費を比べて、その時代ごとの税金負担分を計算するとね。日本人は、予防接種に関して保守的なので、なかなか根付きませんが。
詩子 保守的というと・・・?
医師 菌を植えることが清潔でないと考えている人が多いんです。ま、今日は、4ヶ月検診でお待ちの方がいますから、予防接種については、予約して来ていただいた時に、また詳しく話しましょう。
医療従事者を相手に議論するつもりはないけれど、
国内に自然存在しない菌を、生ワクチンの状態で植え付けることは、媒介者どころか発信源をつくりだすことになるのではないか。
1948〜1994年にかけて「義務」だった予防接種を、選択的に避けようとする親が増えてきたことを「保守的で予防接種が根付かない」という論理にすりかえてよろしいのだろうか。


以前読んだ毛利子来の「予防接種へ行く前に―受けるこどもの側にたって」は、やや罹感の統計的数値にたよりすぎている気がしたが、最近読んだ藤井俊介の「まちがいだらけの予防接種―子どもを愛するすべての両親へ」は、予防接種の安全性・有効性・必要性について、多様な説をあげて述べられていまして、まさに、子どもを愛するすべての両親におススメの本である。

2010年5月27日

福岡ゾリステンの歌曲研究会

ピアニストの山本佳代子さんから、原尚志さんの主宰で最近立ち上げられた歌曲研究会(福岡ゾリステン)の第1回講座の案内をいただいた。会場は井口正俊先生の「日時計の丘」。

表現者が主宰する研究会とあって、なんとなく原さんが講師をされるのかと思っていたら、今回の講師は高折続(バリトン)氏。
広い視野でとても多彩に企画されていることがわかり、始まる前から感銘とともにワクワク。

6月19日13:00〜14:30 「ドイツリートにおける発音法について」
6月19日14:45〜20:00 レッスン
6月20日10:30〜16:30 レッスン

2010年5月25日

ノート 2010年5月 上・中

2010年5月21日

いよいよ明日

いよいよ明日は宮崎由紀子さんのピアノリサイタルです。
演奏者とホールとのご縁といい、その関わりから生まれた選曲のすばらしさといい、準備段階で学ばせていただいたことといい、どれをとっても、私が担当させていただいているコンサートの中で今年のピカイチ物です。
中身についてはこちら

担当科目の学生たちみんなに聞いてほしいコンサートですが、育児休暇をとってしまったために、学生に伝えるチャンスがないのが、とてつもなく残念です。
あと、ピアノがもうちょっと響く楽器ならな・・・。

でも望みうる最高の調律師さんに調整していただけることになっていますし、お出でになる皆様、乞うご期待!!

2010年5月20日

学生への祈り

どうか彼らが就職産業にふりまわされないように、日々祈る。

もちろん、アンテナをたてて情報をかき集めることは、大事なことである。

インターンは現場経験のために有用なのだろうし、
ビューンと飛行機で東京に行って面接を受けるワクワク感もわかる。

集団説明会に目当ての企業があるなら、その人事担当者と会えるのは有用だし、集団の中の自分をみきわめる機会にもなるだろう。
しかし、
集団説明会に、めちゃめちゃ目指している企業がないのなら、「ためしに参加」なんてのは、ほどほどにストップしておいたほうがいいと、私は思う。

就職産業が提示する情報やイベントが、貴方の/貴女の就職そのものを親身に世話してくれることは、あんまりない。
集団説明会の主催者は「参加者ナン人」という形での、いわば依頼主との契約書類上の効果をあげれば、それで「お仕事完了☆」である。説明企業を募り、学生に周知する手間をとるかわり、20歳人口に配布したいサンプルを提供する会社から広告手数料が支払われ、主催者のビジネスが完了する。よって、参加した学生たちにとっては、彼らの時間こそが、商品として売りわたされている。

へたすれば、2年間にわたって年がら年中、そうした就職産業のたれながす情報に踊らされて過ごす危険性があるから、どうか、どうか、自分の就職条件を見極めて無駄なく、その分、めざす1件に気合いを集中させて、活動しておくれ。

エントリーシートで落とされるぐらいなら全然いい。
こわいのは、なんとなくエントリーシートを書いたら二次書類審査に進み、2〜3回の面接を受けて最後に落とされる、というケースである。
「なんとなく受ける」くらいだと取材が足りず、最終面談で落っことされることは、多分に考えられる。

これの怖いところは、「面談」の形で一定時間分、意見交換した後に「不採用」通知を受けると、心理的に予想外のショックが蓄積されるところだ。


不採用通知には理由なんて書かれていない。
自分がなぜ「要らない」と言われたのかがわからないままになる。
自尊心が’むしばまれる。

それはちょうど「なんとなくつきあい始めた恋人にある日突然理由もなくフラレた」のと同じような体験をしてしまうことではなかろうか。
その相手/その会社に未練はなくとも「いままでの時間はなんだったのか!」という憤りに、きっと襲われるのではあるまいか。
口では「別に本気でねらってたわけじゃないし~」と強がってみても、自分の存在を否定されたような感覚が積み重なり、本来の幸せがむしばまれる。

「ある場」や「ある相手」に貴方の/貴女の大切な時間を注ぐ以上、なんとなくではなく、どうか真剣に吟味した上で臨み、さっさとクリアして、貴方の/貴女の青春を一番大事なことに捧げて欲しい。

2010年5月18日

お気軽に

広告のたぐいで「お気軽に」という表現にふれると、私のカチン癖がむくむくと頭をあげる。

お気軽にお越し下さい

この言葉は、私にはとてもエラそうに聞こえる。

身近なところで例をさがすと・・・

たとえば著作を上梓した人間は、
はしがきやあとがきに「お気軽にお読み下さい」とは書かない。
「読者からお叱りやご教示を賜りたい」と書く。

お店を開店した旨の広告は、商売人精神を発揮して、客を敬う言辞を重ねるべきではないのか。
地域にホールを知って欲しい旨の広告は、来場者に敬意を払って、その見識に教えを請う言辞を重ねるべきではないのか。
「お気軽にお越し下さい」ではなく、「一度ご笑覧ください」であるべきではないのか。「どうか足を運んでやって下さい」の姿勢はどこに消えたのか。

近年、広告チラシをみると、さかんに「お気軽に」の言辞が目につく。
これが近年の言語現象なのか、それとも、福岡の言語習慣なのか(ここ10年は福岡に住んでいるので)、わたしには判断できない。

・・・・・と、
ぶつくさ言う私の頭は、江戸系なのだろうか、京都系なのだろうか、それとも名古屋系なのだろうか。

2010年5月12日

メニエール

今朝は、頭痛と目眩と嘔吐で往生した。
義母が来てくれたので、さやかをみてもらって病院へ。

先生に症状を伝えると、
「疲労でメニエール起こしてますねえ」と聴診も口内検査もなしに、すぐ判断。
「母乳やってると、あなたは疲れてなくても身体が疲れてますから、しばらく安静に」とのこと。

「耳鳴りはありませんけど・・・」と伝えたが、
「他に悪いところもなさそうだし」と先生。
病院に来てからやった検査といえば、血圧測定だけなんですが。

まあ、軽い対応で、安心した。
これが里見先生タイプの人だと、人道的な観点から、「財前、おれは医者にとっては慎重さが最も大切だと信じている」とか言って延々と検査を始め、早々には帰れなかった可能性がある。

内服薬は母乳に影響するから、と配慮してくれて、重曹水の注射を処方された。
薬剤名はタンソニン。
イギリスで経験的に編み出された治療法で、内耳に効くんだそうである。

さやかはこんなに健康で完璧なのに、その育児ぐらいでメニエール病になっているんだとしたら、恥ずかしい。これが高齢出産の限界というものかと思い知らされる。
先週から実家の家財整理や役所の手続き・相談など続いているから、そんなのも影響しているかもしれない。

水分・食餌についての参考情報
http://www.kaishou.sakura.ne.jp/newfolder2/index.html
漢方的見地 http://www.horiyaku.co.jp/data/hy0000004.html

2010年5月10日

予防接種ノート

  • 三種混合は却下。

    • 新MMR薬害事件・・・M麻疹+Mおたふくかぜ+R風疹。89年4月~93年4月まで使用され、無菌性髄膜炎1754例が報告され、06年の裁判では諸々の重症例1040例が被害を認定された。また92~93年には12都府県2400例の期限切れワクチンが用いられたが国と製造元はこの責任を否認。
      06年にはMR二種混合ワクチン、新しい日本脳炎ワクチン、四種混合ワクチン(DPT+ポリオ)が導入されたが、MMR薬害事件の教訓の生かし具合が不明。
  • ポリオは迷う。


    • 感染時の危険度が高すぎるので受けさせたい気もする。
    • 経口摂取なので免疫に結びつきやすいかもしれないが、飲ませるのが「生ワクチン」と聞いてびびる。
    • なにしろ、日本ポリオ研究所いわく、


      これぞまさに、自然感染で麻痺患者が出ていないのにワクチンで麻痺患者が出ているという事実の暴露である。西太平洋地区においては、ワクチン接種をやめたほうが感染可能性が低いのではなかろうか。少なくとも、原因をばらまいておいて「対象にされません」とか語るのは滑稽ではないだろうか。

      たとえば以下の応用文をみよ。
      ニキビ根絶宣言は、野生株によるニキビが1ヶ月以上出ていないことであって、チョコレートの大量摂取によるニキビは対象にされません。  
      ダブルブッキング根絶宣言は、手帳の読み間違いによるダブルブッキングが3年以上発生していないことであって、手帳に書き漏らしたことによるダブルブッキングは対象にされません。
    • ポリオウィルス・・・ほとんどの場合は症状が出ずに免疫を獲得。症状が出る場合、5~10%はカゼ様の症状、0.1~0.2%が麻痺し、その一部が永久麻痺。
    • ポリオワクチン・・・経口生ワクチン。ワクチンから0.00002%脳脊髄麻痺。ワクチン接種後15~27日後にウィルスが(一部は強毒化して)便で排泄され、これに感染する被害者には救済事業がある。1980年以降のポリオ患者全例(45例)がワクチンによる感染。
    • 2006年時点のウィルス常在国はインド、ナイジェリア、アフガニスタン、パキスタン。便にとまったハエやゴキブリが直接食物にふれると人間に感染。2005年にインドネシアで303例の発症が起こった背景には、治安・政情不安定で上下水道不整備なことや、スマトラ島沖地震(2004)による衛生悪化がある。
  • BCGは却下


    • 児童・成人にはBCGが「無効」との証明が行われたが、乳幼児には調査を行わなかったため「無効が証明されない以上は有効である」との論理により継続されている。
    • 日本では感染歴のある成人との接触対策が行われないまま予防接種が継続されている。
    • 2005年からツベルクリン反応検査をすっとばしてBCGを直接接種するようになった。

2010年5月7日

ポゴレリッチ・リサイタル

コアなファンならついて行けたのだろうか
90年代の「型破り」までしか知らなかった私には無理だよ、
というコンサート。

こういうことを書くと評論もどきをやっている身には「おいおい知ってろよ」とお叱りが飛んできそうで藪蛇なのだが、ポゴレリッチは、いつからここまでトランスしてしまったのだろうか。

チラシを見た途端、彼氏のいるタイプだと判明するポゴレリッチが持参したのは、かぎりなく正統派のプログラム。
 ショパン : 夜想曲 変ホ長調 op.55-2
 ショパン : ピアノ・ソナタ第3番 ロ短調 op.58
 リスト : メフィスト・ワルツ第1番
 シベリウス : 悲しきワルツ
 ラヴェル : 夜のガスパール

だが、まるでオールウェイズ・カデンツァ。
どの曲を聴いても「この曲知っているかも」と思ってしまうような崩しブリで、どう考えても「個性」や「解釈」の域を超えている。

92年だったか、ボプ・ディランの来日公演を聴いたカタヤマ先生が、両手をワサワサふるわせながら
えっと、もともとボブディランに上手く歌うことなんて期待していないけれどぉ
いくら詩人でもぉ
もうぜんぜん歌じゃなくなっているかんじ
とおっしゃっていたのを思い出させる類の演奏。
よく言えば、貴腐ワインの爛熟とでも言おうか。

いやいや、そんなふうに持ち上げる必要ないなあ。

しかも、
こんなにメジャーな曲を並べた「リサイタル」なのに譜めくりが居て、曲間にペダルの下でごそごそ楽譜を探すというパフォーマンス付。
つまらないことを言うようだが、リサイタルっていう言葉には「暗唱」の意味もあるんですよお。

友人から贈られたS席チケットにクラクラとして、さやかをシッターさんに預けて出かけたコンサート。
どんな内容であれ「目撃」することは大切だから、足を運んだこと自体は後悔していないけれど、子供を2時間も人に預けてつきあうほどの内容ではなかった。

休憩なしで、リストの後に、飛び入りで付け足されたブラームスの《間奏曲》が終わると、時すでに8時45分。
私はこの時点で退出させていただいたが、《夜のガスパール》まで聴いたお客さんが家路につくのは、何時頃だろう。

収穫は、協賛団体一覧を検索して、西日本新聞民生事業団というものを知ったこと。
児童福祉施設の中学生に入学や卒業のお祝い品をプレゼントしたりしている由。

それにしても1階28列28番をS席で売るか、NASAコーポレーション。

2010年5月4日

お誕生100日目

さやかお誕生100日目。
お食い初め式をしてもよかったのだけれど、鯛の尾頭付きをどうやって入手するのか、まだ調べいなかったのと(反省・・・)、「食い延ばし」説にあやかる意味で120日目までのばすことにしたので、今日はふつうのお食事。

今日は私が実家の家財整理をしている間、ガンガン眠っていてくれてはかどった。
その分、夜はお風呂からねんねまで2時間かかった。

腕の中で、たくさん歌を聴いて、ゆらゆらもたっぷりして、ようやく眠る。
ベッドに置いたら、ちょっと目を開けて一瞬さびしそうな顔をしたが、すぐに諦めてねんねしてくれた。いいこちゃん。

2010年5月1日

音楽学会関西支部346

日本音楽学会関西支部 第346回例会
(東洋音楽学会西日本支部第248回定例研究会と合同)

日  時 : 2010年5月29日(土)午後2時∼5時
場  所 : 大阪市立大学文化交流センター大セミナー室(大阪駅前第2ビル6F)
アクセス : JR東西線「北新地駅」下車、徒歩約1分
JR大阪環状線、東海道線「大阪駅」下車、徒歩約3分
地下鉄四つ橋線「西梅田駅」、地下鉄谷町線「東梅田駅」下車、徒歩約3分
阪神電鉄「梅田駅」下車、徒歩約2分
阪急電鉄「梅田駅」下車、徒歩約7分
地  図 : http://www.osaka-cu.ac.jp/info/commons/access-umeda.html
例会担当 : 増田聡(大阪市立大学)
内  容 : :小泉文夫賞受賞記念講演と博士論文発表

第21回(2009年度)小泉文夫音楽賞受賞者による記念講演
(公益信託 小泉文夫記念民族音楽基金(受託者 みずほ信託銀行)との共催)
バーバラ・B・スミス(ハワイ大学マーノア校名誉教授)Professor emerita Barbara Barnard Smith (Professor emerita, University of Hawai‘i at Mānoa)
「キャンパスを超えて地域社会へ〜大学の音楽課程のための可能性と責任」(英語)
"Beyond the campus to the community: opportunities and responsibilities for the university music program"
通訳:山口修(大阪大学名誉教授)
(今回の受賞理由は「長年にわたる研究と教育によりアジア太平洋諸民族とその音楽の知識と理解を学界ならびに社会一般に広めた貢献に対して」というものです。また小泉文夫音楽賞の詳細についてはhttp://www.geidai.ac.jp/labs/koizumi/award/index.htmlをご覧ください。授賞式は5月27日(木)に東京で催されます)


博士論文発表
中村真(大阪大学大学院)
「レオシュ・ヤナーチェクのモラヴィア民謡研究における用語体系の成立と変容——ナショナリズムとの関わりの中で——」

博士論文発表
山口篤子(大阪大学大学院)
「アマチュアという規範の成立過程—近代日本の合唱変容」

本気で

2009年度科研費。
どうせ自分の首をしめるなら本気でやろうの巻。

5〜7月:映画芸術について「音響設計」の概念での言及がみられる以下文献に取り上げられている映画・映像作品をリストアップ
  • Barbara Flückiger, Sound Design. Schüren Verlag. 2001. 
  • Claudia Bullerjahn, Grundlagen der Wirlung von Filmisik. Wißner-Verlag. 2001. 
  • 加藤幹郎, 加藤幹郎『映画の領分—映像と音響のポエーシス』、フィルムアート社、2002. 
8〜12月:紀要論文2篇
  • 映画・映像アートにおける音響設計のモデル
  • 映画・映像アートにおける時間設計のモデル
たどり着こうとしていることになっている(官僚的な)概念チャート