週末、土居伸彰さんの論文を読んで、シンプルな棒線画のアニメーション作家ドン・ハーツフェルトのアニメーション観が、いわゆるドビュッシーのオペラ観にとても似ているのを知り、「おおぉ!」とか思った。
CGのモデリングや完璧なドローイングは、私を冷たい気持ちにさせます。自転車をリアリスティックに、現物を代替するもののように描いたとしても、それは私に「自転車」としか語りかけてくれません。そんな名詞以上のもので観客とコミュニケートしたい。それができれば、作品に雰囲気や心理を一層加えることができるでしょう。(http://www.bitterfilms.com/articles-m.html)
キャラクターがシンプルであればあるほど、より多くの観客がキャラクターに自分を投影できます。チャーリー・ブラウンというキャラクターを組み立てているのは実際のところ数本の線だけだというのと同じです。それは観客を引き込むためのひとつのやり方であり、いわゆる“夢を見させる”ためのやり方なのです。(土居伸彰「ドン・ハーツフェルト作品におけるシンプルな描画スタイルの意義について」『アニメーション研究』Vol.11, 2010)
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