2012年2月21日

F.X.ロト指揮のマーラー

昨晩は、F.X.ロト指揮の南西ドイツ放送交響楽団を聴いてきた。

マーラー5番は、なんの見栄もきらずに、スラスラ・サクサク・トットコと前に進んでいった。
これまで聴いたマーラーは、フレーズ間にテンポ変化があったりとか、いろんな見せ場にみちたもので、だからこそ、ウィーンは文化のるつぼです、耳の記憶な んです、路上の石ころがプリズムになるんです、という読書との連動があったりしたが、今回のは「え”っえ”っもう次?」と戸惑いの連続。

客観的に距離をおいて達観すればミニマルな快感がおとずれるのではないか、というアイディアが浮かんだので、第3楽章の半ばで割り切り方向にシフトチェンジしてみたけれど、期待通りにはならなかった。

ロトさんって老けたお顔のわりに若くて(1971生)、指揮界でいったら「超若手」であるだけに、なんというかこうハイパーなスキゾなかんじが売りなのかもしれな...い。
すでに時代は、楽章ごとの位置づけを純交響曲的に明晰にうちだす、ってなことをマーラーでやってみせる段階まできてしまっているのかもしれなくて、そうい う最新スタイルの演奏についていけないことの露呈は、イコール、自分の日頃の鍛錬不足を暴露するにすぎないので、なんとしてでも満足ポイントをみつけたい ところではあり、よって、涼しげに「とても爽やかな演素」とでも語っておく・・・・・・のは簡単。ついていけない私の本音は・・・・・・演奏は決して乱暴なものだったわけではないのだが、なんというか、ユダヤにもウィーンにも形式的特殊性にも目をくれない態度のなかに、「そんなの関係ねえ」的な非紳士性を感じた。

けちってA席(ぴあで3階2列)にしたのが悪かったのかなあ。

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