2009年12月13日

平和賞 

オバマは受賞演説で「この賞 を受けた歴史上の巨人たち――シュバイツァーや、キング、マーシャル、そしてマンデラ――らと比べれば、私が成し遂げたことはわずかだ」と言っている。
まったくその通りである。

「うちの国は、スーパーマーケットで銃を買えて、世界中に軍備をばらまいていて、更に2カ所でガンガン戦争していますが、核兵器の量については、これからチェンジするつもりです」という抱負を、まだ選挙演説で述べた程度。
選挙演説に、授賞してしまうなんて・・・。

物理学・化学・生理学医学・文学・経済学の授賞式がスウェーデンで行われるのに対し、平和賞だけはノルウェーで行われるなど、平和賞には、特別な意味合い がある。子供時代に読んだノーベル伝によれば、ノーベルは工事現場で使うつもりで開発したダイナマイトが戦争に使われてしまったので、遺言で浄財活動を宣言したというのだが、Wikipediaの「ノーベル」の記述によると、平和賞の着想経緯は、さらにドラマチックであった。

さて、日本人でノーベル平和賞を受けたのは、非核三原則を述べた佐藤栄作だけだ。
ノルウェー委員会めー、甘くみんじゃないぞー。
日本は、徴兵制がなく、武器を所有するだけで取締の対象になるような、平和先進国だぞー。

現在の銃刀法だけをみれば「GHQの指導のもとで」ということになるの かもしれないが、日本は、豊臣秀吉の刀狩(1588)以来、武士以外の人間が武器を持たない国となり、その武士も、明治の廃刀令(1876)で武器を携行しなくなったんだぞー。
西洋から輸入した徴兵制度も100年とは続かず(1889〜1945年)、交戦権を放棄した憲法を60年以上も保持しているんだぞー。

ただ、お金を出してまでアメリカ軍に駐留してもらってしまっている点で、日本の国防は単なる傭兵制かもしれない。
その点を見透かして、あんまり平和賞をくれないのだとしたら. . . . 、
ノルウェー委員会、実にご立派だ。

それにしてもである。
オバマは、マーチン・ルーサー・キングの言葉「暴力は決して永続的な平和をもたらさない。社会的な問題を何も解決せず、もっと複雑な問題を新たに作り出すだけである」を参照しながら、いきなり、それと正反対のことを言う。
暴力的な紛争を根絶することはできないという厳しい真実を知ることから始めなければならない。国家が、単独または他国と協調した上で、武力行使が必要で道徳的にも正当化できると判断することもあるだろう。
要するに、まだまだ暴力は必要です、ガンガンやりますよ、という宣言ではあるまいか?

これを読んで、
ガンジーがノーベル平和賞を拒否したっていうのは、正しいな、と思った。
「徴兵制をもつフツーの国」ノルウェーには、平和の理念そのものに限界がある。

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