2011年5月20日

チャリティコンサート(6月27日)


西南学院大学チャペルにて、多様な楽器奏者の夕べを開催することに。

東日本大震災に接し、なにかできることはないか、というチャリティコンサートの志が、邦楽器・クラシック・ジャズの3ジャンルにまたがる音楽家から出てきた企画なので、ゴチャゴチャではいけないな〜、というのが懸念点だったけれど、吉浦勝喜先生の采配で「各ジャンルが独立した3つのミニコンサート」という体裁にすっきりとまとまった。

国際文化学部の主催名義も無事取得。


仮チラシをそえて、宣伝いたします。

九州の音楽家が西南で
今できること 祈りとともに
               彼方に届けるコンサート
 2011年6月27日(月) 於 西南学院大学チャペル

第1部 18:00 笛三態
山崎箜山(尺八)、辻香苗(フルート)、大坪由香(リコーダー)、みやざき都(箏)、安積道也(オルガン)
第2部 19:00 室内楽
中川淳一(ピアノ)、徳山奈美(オーボエ/九州交響楽団首席)、山下菜美子(ファゴット/九州交響楽団首席)、タラス・デムチシン(クラリネット/九州交響楽団首席)、岡本秀樹(ホルン/九州交響楽団首席)
第3部 20:00 ジャズ
辻香苗(フルート)、柴田健一(ジャズトロンボーン)、埜口浩之(テナーサクソフォン)、丹羽肇(ジャズベース)、月岡翔生子(ジャズピアノ)



入場無料 被災地域支援のため、会場にて自由献金をお願いいたします。
主催:西南学院大学国際文化学部 
企画構成:日本音楽家ユニオン九州地方支部

2011年5月15日

アメリカ式オプティミズム

NHKオンデマンドで、遅ればせながら「スタンフォード白熱教室」をみた。

ブレインストーミングの回では、高畑淳子さんにそっくりのティナ・シーリング先生が、学生にパーティ立案の議論を展開させる。
誰かのアイディアの詳細を早い段階でチェックしはじめると、そのアイディアの可能性が花開かないので、「Yes, But」でなく「Yes, And」を言い続ける、というルールを与え、
「既成概念や技術的な限界に縛られず前向きに議論したからこそ宇宙でパーティを開けたんだと思います」「その通り!」とか言って喜んでいる。
この妙な達成感はどこからくるのじゃ?

こういう番組は「アメリカ式オプティミズムに乗っかると危ない」の実例として鑑賞すべきだと思った。

すなわち、

高畑先生:こうしたブレインストーミングを済ませた後には何をすべきだと思いますか?
学生ブライアン:出されたアイディアを実現性の高低に照らし合わせるのはどうでしょう。
高畑先生:仕分けして見直すんですね。デイヴィッドどうぞ。
学生デイヴィッド:あるいはいきなり実行してみるとか。
高畑先生:試作するんですね。

というような、明るいオプティミズム。

このようなオプティミズムこそ、原子核反応のエネルギーで発電するというアイディアをふくらませるために、点検ミスやハリケーンや地震や津波の可能性に目をつぶる空気の温床ではないか。
原子力発電所の「試作」は実作にほかならないわけだが、せっかく建設地域の住民が反対してもIF THE SCIENCE DOESN'T PERSUADE THEM, MAYBE THE YEN WILL(科学が説得しなくてもお金が説得してくれるでしょう)」という恐るべき現実が待っている。
(上記リンクは、九州電力の玄海プルサーマル計画が展開するプロセスをウィキリークスが公開したもので、「糸島の風」に対訳がある)

批判検討ができないdaydreamプランを、大人のミーティングの結論にするなど、あんまりである。
小学校のホームルームの時間に「みんなでパーティを計画してみましょう」ということを言って、ある班が「宇宙でパーティ」という結論にたどりついたときに、「とっても斬新なアイディアですね!」とほめるのはアリだろうが、大人を相手にして、宇宙でパーティなどという使えないプランを持ち上げないでほしい。

さやかが、糸くずを差し出してくれるたびに「よくできましたぁ! ありがとう!」と言うのは、彼女がまだ1歳の赤ちゃんだからである。

2011年5月11日

音楽活動リンク

音楽の友  コンサート情報 http://www.ongakunotomo.co.jp/concert/
音楽之友社 中止公演情報  http://www.ongakunotomo.co.jp/kagutsu/k54.html
webぶらあぼ 明日から7日間 http://search.mde.co.jp/
来日予定楽団のリスト http://tuhan-shop.net/classic/rainichi/2011rainichi-oke.html
光藍社 http://www.koransha.com/

アクロス福岡 http://www.acros.or.jp/
あいれふホール http://www.kenkou-fukuoka.or.jp/event/
末永文化センター http://www.suenaga-bunka.or.jp/concert/index.shtml
日時計の丘 http://hidokei.org/event.php
ミュージックギャラリー福岡 http://musicgf.co.jp/archives/category/event
佐賀市文化会館 http://www.shinpoo.jp/ticket/maeuri.html
シンフォニア岩国 http://www.sinfonia-iwakuni.com/
iichiko総合文化センター http://www.emo.or.jp/
アルカスSASEBO http://www.arkas.or.jp/
みやまコンセール http://www2.synapse.ne.jp/miyama/
メディキット http://www.miyazaki-ac.jp/

長崎県大村市 シーハットおおむら http://www.seahat.jp/
佐賀県西松浦郡有田町 歴史と文化の森公園 炎の博記念堂 http://www.honoo-arita.com/

ヒューブリスについて

月報717号で、安河内英光先生の文章を読む。
大学人は、こんなふうに語らなければなあと思う。
以下は、私の学習のために書き写し行為(模写作業)を行った結果、中盤以降の引用テキストができあがっちゃったもの。

大地震と津波による自然の猛威と破壊力のすさまじさには恐怖と驚愕を感じ、人知を超えた地球規模の動きには人間の卑小さと脆弱さを痛感させられ、被災された人たちには心が痛みました。ですが、原発事故は人災ですから、何ともやりきれないほとんど憤りに近いものを感じます。
(中略)
核燃料のプルトニウム239は半減期間が24000年で、太陽から非常に遠い宇宙の彼方にある冥王星の英語名Plutoにちなんでつけられたものですが、ギリシャ神話では、Plutoは死を司る神を言います。核は人間を超えたもので、ある意味で、神の領域にあるものと考えるべきで、卑称で脆弱で愚かで誤りやすい人間が神の領域に手をつけてはならないのです。原発は、核分裂によって生じる巨大なエネルギーを原爆に使うのでなく平和利用に使うのだ、と言って造られ始めたのですが、人間は愚かで誤りやすい存在ですから、平和利用といっても、いつか大失敗をしでかすのではないかと強い危惧の念を抱いていました。それが現実となり、今回の事故となって現れました。宗教や大自然という人間を超える大きなものに対する畏怖の念をなくし、人間が神の領域に手をつけることや神々に対する傲慢不遜な態度をとることをヒューブリス(hubris)と言いますが、まさに、今回の事故は、人間のヒューブリスが起こした大災害であり、それを行った人間の行為は大罪です。
 18世紀以来の西洋近・現代と過去100年の日本は、人間の理性と科学と合理主義を重視し、これが産業主義と結びついて、人間の感情、感覚、本能、創造、空想等を心の片隅に抑え込み、文化や伝統を壊し、物質的な豊かさを求め、その豊かさがあたかも幸福につながるような錯覚をして、暴走してきました。その典型的で最悪の結果が、原爆であり原発です。私たちは、経済成長優先主義の政治や教育、物質的な豊かさや安楽さを追い求める人々、消費主義をたきつける社会等と、これらの背後にある近・現代全体の思想や理念を改めて根底から批判的に検証し、これらを根本的に見直す政治、経済、文化の在り方を考えなければならないでしょう。