2012年7月5日

本を「はかない」ものにする

アルゲリッチの故郷アルゼンチンで、
 (アルゲリッチとは関係ないけど)
「本をはかないものにする」という革新的なアイディアが出た。
新人作家を応援するためだそうだ。
http://gigazine.net/news/20120704-disappear-book/

とても革新的だが、現実的な効果がよくわからない。

自炊してリーダーを持ち歩くタイプの読者にとっては、従来とおんなじことではなかろうか。

また、よろず新しいモノが好きな人は「そういう形態のモノ」を1冊ぐらいは買って、2ヶ月後に「ほんとに消えたよ!」とか話題にするだろうけれど、読書は大好きなのに忙しくて「とりあえず購入ボタン押しといて休暇に読もう」というタイプの人は、絶対に買わないと思う。後者の購買者をあてにしない出版形態は、新人作家を応援することになるんだろうか。

そして、国立の中央図書館への納本時には、一般的なインクによる別立ての本を用意してくれるんだろうか。国立の中央図書館でも、空気よけのパッキングをはがさずにそのままとっておく、というイメージなんだろうか。どちらも不可能、という場合、後代の(というか2ヶ月目以降の)研究者は、初版本にアクセスできない、というわけだろうか。

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