とちゅうから音楽的な中身をはずれて、距離とか時代とかの話になり、「平和」でしめくくられていた。
私たちヨーロッパの音楽家にとっては、まず、日の出ずる国の聴衆に向けて演奏できるということ自体が驚くべき体験と言わねばなりません。私たちの音楽を聴いてもらえること、居心地の良い町並み、新しい風物の発見・・・。そして、ここに集う演奏家と共に演奏できることの喜び・・・。この違和感は、言うなれば九響第296回定期のサブタイトル「民族音楽の世界」を目にしたときの違和感に近い。いや、さすがにそれには及ばないか・・・。
つまりは、音楽が、距離というものを消し去り、時代の差を埋めて、私たちの時代が求めてやまない「平和」というものを、この世界に運び込んでくれる、ということなのです。
ともあれこの文は、北朝鮮の官僚向け演奏会のために書かれた文章に、「日の出ずる国」をくっつけても、十分書けるであろう。
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