私は音楽事務所の仕事にはつかなかったから、
携わるコンサート企画は、
聴きたい演奏家のコンサートであって、
これは本質的にとても幸せなことだけれど、
でも、低予算で企画運営に携わるっていうのは、
現実的にそのコンサートをほとんど聴けないということでもあるので、
毎度毎度とっても複雑。
でも今回は
共催をいただいた宗教部や(株)キャンパスサポート西南に
エクセルシオの演奏に対する私の思い入れが非常に強くと、めいいっぱい甘えさせてもらった。
今回ばかりは、なんとしても中身を聴きたいので、
開演後おおまかな整理が終わったら、
場外案内をバトンタッチでお願いさせてください
こんなお願いを、こころよく引き受けていただき、
おかげで、
モーツァルトの第4楽章と、中村作品と、
ラヴェルの第2〜4楽章を聴くことができた。
ありがとうございます、皆様!
印象深いのはラヴェル。
2楽章では、パッと見のノリに逃げることなく、
6/8拍子の2分割と3分割を丁寧に表現していて、
第1ヴァイオリンによる3オクターブの上昇も、
音が途切れないまま、色が変わる。
レンジごとに脊髄に3色の液体を注ぎ込まれるような体験だった。
そして4楽章のクレシェンドとfff。
ダイナミック。
揺さぶられた〜。
あえて極端な言い方をするが、
優れた演奏家ってもんは、優れたアンサンブルってもんは、
“すごく大きな音を出せる”んでございます。
ライブ録音は福島欣尚さんにお願いした。
彼のセンスで、演奏家にとってもある意味
記念すべきライブ録音になると信じている。
ただし課題もたくさんある。
まずは、西南学院大学チャペル(2008年4月献堂)の空調システム設計のこと。
ほんとうは、開演前と休憩の間だけガンガン冷やして
上演中は空調を切りたかったのだが、その「ガンガン冷やす」ができない。
なぜなら、自動26〜28度の総務課一括管理になっていて、
「冷やす」とか「暖める」 の温度設定ができないのである。
結果的に、
サーという空気音と、キーンとかいうダクト反響音が
(席にもよるが)聞こえてしまう羽目になった。
せっかく福島さんに頼んだのにさぁ・・・。
電源のオンオフのみならず温度設定までが中央管理というのは、
芸大5号館で育った私でもビックリの事態である。
26〜28度設定というのは、
労働基準法とエコロジーの妥協点として
実にポリティカル・コレクトであるが、
このチャペルが
席番号までふって客席空間として設計されている以上、
このインフラではたいへん困る。
人間が集まって、いろいろな企画をやっていく場所としてちゃんと機能するように、空調設計の改善にむけて、運動していきたい。
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