2010年4月18日

饒舌とコミュニケーション不足

中島義道ではないが、日本はうるさい。

夫が職場から持ち帰ったスチーム・ジャー炊飯器のナレーション音声を消そうとしたら
「音声、切ります」 ピーッ 「音声<切り>に設定しました」
と言われた。

コンサート準備のためにスタッフのメーリングリストでMC案を練ったら、以下のような内容にまでふくらんだ。
ここで、演奏者とお客様のために20分間の休憩を頂きます。
チャペルのお手洗いは、出られて左側にございます。混雑している場合は、一旦チャペルを出られてすぐ右側の校舎(一号館)のお手洗いもご使用できますのでご利用ください。尚、チャペルを出られる場合は、必ず、再入場のためのチケツトの半券をお持ちください。
また、ただ今ロビーでは、CD、スコアの販売を行っております。この機会に、ぜひお買い求めいただき、ご自宅でもお楽しみ下さい。
また、ロビーではアンケート記入のコーナーを設置しております。ご協力いただきますようお願い申し上げます。
耳の至福の余白に、なぜこんなに言語音をゴタゴタ入れるのだ。
日本的「親切」はもはや音楽芸術の敵である。

そして、こんなふうに案内したがるスタッフにかぎって、客から「トイレはどこですか?」と尋ねれられると「あんなに案内してもわかんないお客はいるんですよね〜」と苦笑してみせたりする。
そんな苦笑は、「親切」からでたものではない。

言葉を重ねすぎて客の耳を麻痺させた可能性はないか?
言葉の音から逃げさせ、こちらの言葉が空転したのではないか?
トイレの場所を尋ねられたら、手振り付で答えればよいのではないか?
いつでもアンケート用鉛筆を持って、待ち構えればよいのではないか?

私から提出した改案は以下のとおり。
嗚呼これでも、まだ長い!

ほんとは2行でとめたかった。
しかし、一挙にシェイプアップして後でリバウンドするよりは、とトイレや半券持参の文言を残した。

ただいまより、20分間の休憩を頂きます。
ロビーにて、CD、スコアを販売いたしております。 
尚、当チャペル内のお手洗いは、ホール後方ドアから出て左手にございますが、混雑の場合、チャペル隣「1号館」のお手洗いもご使用になれます。会場を出られる際には、必ず、チケツトの半券をお持ちください。

2 件のコメント:

  1. 音というものは聴く気にならないと耳を通過しますからね(苦笑)。アナウンスでトイレの場所を云々なぞ、電車がアナウンス無しに動き出すヨーロッパでは考えられないです。しかし最近ロンドンの地下鉄で駅によってはBGMを流しはじめました。仕事が終わって駅に行ったら迎えてくれるのがベルリオーズの幻想交響曲ってのはのけぞるものがあります(汗)。一刻も早く止めて欲しい。

    返信削除
  2. たしかに、それだけは避けたい選曲ですね。
    電車つながりで、新幹線のアナウンス前に鳴る「ああ日本のどこかに〜」の一節もやめて欲しい。転調の途中で止められると、とても落ち着きが悪くて・・・。

    返信削除