2010年5月18日

お気軽に

広告のたぐいで「お気軽に」という表現にふれると、私のカチン癖がむくむくと頭をあげる。

お気軽にお越し下さい

この言葉は、私にはとてもエラそうに聞こえる。

身近なところで例をさがすと・・・

たとえば著作を上梓した人間は、
はしがきやあとがきに「お気軽にお読み下さい」とは書かない。
「読者からお叱りやご教示を賜りたい」と書く。

お店を開店した旨の広告は、商売人精神を発揮して、客を敬う言辞を重ねるべきではないのか。
地域にホールを知って欲しい旨の広告は、来場者に敬意を払って、その見識に教えを請う言辞を重ねるべきではないのか。
「お気軽にお越し下さい」ではなく、「一度ご笑覧ください」であるべきではないのか。「どうか足を運んでやって下さい」の姿勢はどこに消えたのか。

近年、広告チラシをみると、さかんに「お気軽に」の言辞が目につく。
これが近年の言語現象なのか、それとも、福岡の言語習慣なのか(ここ10年は福岡に住んでいるので)、わたしには判断できない。

・・・・・と、
ぶつくさ言う私の頭は、江戸系なのだろうか、京都系なのだろうか、それとも名古屋系なのだろうか。

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