2010年5月20日

学生への祈り

どうか彼らが就職産業にふりまわされないように、日々祈る。

もちろん、アンテナをたてて情報をかき集めることは、大事なことである。

インターンは現場経験のために有用なのだろうし、
ビューンと飛行機で東京に行って面接を受けるワクワク感もわかる。

集団説明会に目当ての企業があるなら、その人事担当者と会えるのは有用だし、集団の中の自分をみきわめる機会にもなるだろう。
しかし、
集団説明会に、めちゃめちゃ目指している企業がないのなら、「ためしに参加」なんてのは、ほどほどにストップしておいたほうがいいと、私は思う。

就職産業が提示する情報やイベントが、貴方の/貴女の就職そのものを親身に世話してくれることは、あんまりない。
集団説明会の主催者は「参加者ナン人」という形での、いわば依頼主との契約書類上の効果をあげれば、それで「お仕事完了☆」である。説明企業を募り、学生に周知する手間をとるかわり、20歳人口に配布したいサンプルを提供する会社から広告手数料が支払われ、主催者のビジネスが完了する。よって、参加した学生たちにとっては、彼らの時間こそが、商品として売りわたされている。

へたすれば、2年間にわたって年がら年中、そうした就職産業のたれながす情報に踊らされて過ごす危険性があるから、どうか、どうか、自分の就職条件を見極めて無駄なく、その分、めざす1件に気合いを集中させて、活動しておくれ。

エントリーシートで落とされるぐらいなら全然いい。
こわいのは、なんとなくエントリーシートを書いたら二次書類審査に進み、2〜3回の面接を受けて最後に落とされる、というケースである。
「なんとなく受ける」くらいだと取材が足りず、最終面談で落っことされることは、多分に考えられる。

これの怖いところは、「面談」の形で一定時間分、意見交換した後に「不採用」通知を受けると、心理的に予想外のショックが蓄積されるところだ。


不採用通知には理由なんて書かれていない。
自分がなぜ「要らない」と言われたのかがわからないままになる。
自尊心が’むしばまれる。

それはちょうど「なんとなくつきあい始めた恋人にある日突然理由もなくフラレた」のと同じような体験をしてしまうことではなかろうか。
その相手/その会社に未練はなくとも「いままでの時間はなんだったのか!」という憤りに、きっと襲われるのではあるまいか。
口では「別に本気でねらってたわけじゃないし~」と強がってみても、自分の存在を否定されたような感覚が積み重なり、本来の幸せがむしばまれる。

「ある場」や「ある相手」に貴方の/貴女の大切な時間を注ぐ以上、なんとなくではなく、どうか真剣に吟味した上で臨み、さっさとクリアして、貴方の/貴女の青春を一番大事なことに捧げて欲しい。

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