2009年11月23日

月曜日科目について考える

祝日法第二条は勤労感謝の日を「勤労をたつとび、生産を祝い、国民たがいに感謝しあう」日と定め、同第三条は「国民の祝日は休日とする」と定めているのだが、
昨日は二人とも、ある意味まさにLabor Day。勤労をたっとびすぎな日だった。

夫は、たまたま日曜に当直日があたってしまい、事件続出で交代時刻後もガンガン長引いて、結局、祝日にかけて「37時間一睡もせずに仕事漬けの日」となった。
私は、月曜コマ数を補充するための「授業実施日」だった。
で、連休返上で集まった学生のために相当燃えて授業をし、加えて、楽理科受験生のレッスンもした。

平成13年法律第59号の改正(通称「ハッピーマンデー制度」)を経て、大学は毎年度、月曜日科目の日程不足に苦しんでいる。小・中・高等学校は、祝日のあたりにくい水曜・木曜と「振り替える」という運用が比較的行いやすいのに対し、大学は、非常勤講師というものにかなり多くの授業を担当してもらっており、非常勤型の講師業を営む人材は複数の大学に出講している場合が多いので、ある大学が勝手に「振り替え」をやってしまうと、これらの人材が、アッチの仕事とコッチの仕事の板挟みになってお気の毒だというので、結局「振り替え」を断念した。連合教授会でも「ただでさえ月金と火水木の時間割が異なるためにご迷惑をかけているのだからこれ以上ご迷惑をかけたら申し訳ない」という話になった。
ただし左記は西南学院大学の選択。近隣では、福岡大学も同様の立場のようだが、九州大学は振替制のようだ。職員さんが国家公務員さん中心だしね...。

それにしても、「ハッピーマンデー制度」を始めた時点で、文科省あたりが、教育機関の統一振替日程表みたいなのを提示してくれていれば、こんな混乱は起こらなかったのではないか。流行病や悪天候にともなう学級閉鎖なら「各教育機関の判断にゆだねる」で済むが、国家政策として、連休を増やすというなら、その時に「じゃあ教育日程をどうするか」ぐらいは考えてもらいませんと! 半端な自由は「不自由」をもたらす。

それともう一つ、大学特有の日程問題として「休講の補講」という問題がある。

小・中・高等学校の教師は、病欠・忌引き・研修なりで、学期中に1,2度講義を休んでも「自習指示」が可能なのに対し、大学ではこうしたことが認められない。理由は、教務課によれば「大学設置基準で15週分で1単位との規定がある」から。

そりゃぁまあ、一昔前の「雨が降ったからお休み」みたいなユルユル大学教員には引き締めが必要だが、大学教員もいちおう人間(生物の一種であってロボットちゃんではない)なので、病欠もすれば忌引きもある。まして国際学会への出張なんていうものも業務の一部として推奨されており、さらに困ったことに、日本のスクールデイは諸外国とずれている。

そいでもって、大学では、人間(生物でありロボではない)が、いちいち休講を補講にしているので、土曜日に設定された「補講日」には多くの場合、複数の科目がバッティングし、その結果、ハンパな数の学生しか集まれない。よって、次単元に進んでしまうのもはばかられるし、話を深めるなら大人数の時のほうが望ましいというわけで、結果的に、補講日にはまともな授業内容を構成しがたいのが現実。
こんなの、「数合わせ」のための単なる「時間つぶし」だ。

ああ「15週規定」。なんとかならないものか。
こんなの、Faculty Development 以前の、Faculty Statement だと思うじぇえ。

この「15週規定」に該当すると思われる大学設置基準第二十三条周辺を見てみたところ、ちょっとヒントになりそうな記述に出会えた。
第二十二条  一年間の授業を行う期間は、定期試験等の期間を含め、三十五週にわたることを原則とする。

第二十三条  各授業科目の授業は、十週又は十五週にわたる期間を単位として行うものとする。ただし、教育上特別の必要があると認められる場合は、これらの期間より短い特定の期間において授業を行うことができる。

第二十五条  2  大学は、文部科学大臣が別に定めるところにより、前項の授業を、多様なメディアを高度に利用して、当該授業を行う教室等以外の場所で履修させることができる。

つまり、前期+後期で試験をふくめて年間35週にまたがってて(←かんたんかんたん)、授業の期間は15週なんだ(←かんたんかんたん)けれど、実際の出講は、そのうち最低10週分を各教員がフレキシブルに設定する、というような制度設計はどうお? あと、せっかく大枚はたいて導入した「Moodle」があるのだから、こういう“メディアを高度に利用して”、補講分にあてるっていうのはどうお?

2 件のコメント:

  1. 勤労感謝お疲れ様でした。

    その考えグッドですよ。
    15週分の単位があるんですね。知らなかった。
    集中講義という制度があるのだから、もっとフレキシブルに動いてもらいたいものです。

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  2. 数えてみると半期は15週分みたいですね。
    集中講義も、いちおう15コマ分あることになっていますね。

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