2009年10月18日

ヴァーグナーのドイツ

天高く馬肥ゆる秋、
畏友の吉田寛君から新著『ヴァーグナーのドイツ』をご恵投いただいた。

この本は、
Amazonで「ワーグナーのドイツ」と検索しても、ひっかかりません。
なぜなら「ヴァーグナーのドイツ」だからであります!

ネイション・フォルク・コスモポリタニズムといった概念は音楽にどう関わりうるのかについて、ヴァーグナーの最初期のオペラ、パリ時代・ドレスデン時代の論文、「未来の芸術作品」、「オペラとドラマ」、ミュンヘン時代・トリープシェン時代・バイロイト時代の論文、といった具合に、時代を追ってつぶさに探求している。

この人の研究はいつも、プロセスが緻密なのに、全体がちゃんとダイナミックに展開していて、だから偉い。(同姓同名がすごく多いんだそうですがこちらのお方です)

地図や図版も豊富。


よく、ブログで本に言及する時に「面白いので一気に読破」と書いている人がいて、そういうのを見るとうらやましい。

と、ある人に言ったら、

「言うだけならタダやでぇ(関西弁)」という考え方を開陳していただき、ほほーっと思ったが、とにかく残念ながら私にそんな能力は全然ぜんぜん滅法ないので、無理な見栄をはるのはやめてラクに生きよう。


なにしろ、先月ブログで一平さんから紹介してもらった『ナザレ派のイエス』だって、序章からしておおおおおーっと感激したわりに、まだ第2章のところで、停止している有様よ・・・。


後期には、毎週火曜日に中島和男先生の「ドイツ文化論」を聴講させていただいているが、そのテーマが「ドイツを知る--リヒァルト・ワーグナー研究--」ということになっており、たぶん中島先生の琴線をブルブルいわせちゃう本だと思うので、あさって紹介しておきます。

2 件のコメント:

  1. どうもー。
    今試したら、AmazonでもGoogleでもワーグナー/ヴァーグナーの互換性ないみたいですねえ。とくに後者は意外でした。旧漢字/新漢字の自動変換検索は(ある程度)やってくれるのに、ワ/ヴァがダメとは…。今後の対策としてどうしたらいいのでしょうかね。ちなみに、あまり気にしていませんでしたが、某N響に出す原稿は全部自動的に「ワーグナー」に直されます。
    キリスト教に造詣の深い/関心のある向きには、ぜひ最終章の《パルジファル》の辺りを読んで頂き、ご意見を伺いたいですね。

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  2. 独文の中島先生にご紹介しましたところ、
    「あれね今日注文したとこ☆」とのことでした!

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